ご訪問ありがとうごさいます。今回は14歳の女性プロ囲碁棋士、上野梨紗さんをご紹介します。
14歳の中学生でありながら、日本棋院東京本院に所属するプロの囲碁棋士であり「若い」「かわいい」と、彼女に注目しているのは囲碁ファンだけではありません。
今回は、上野梨紗さんのプロフィールと素顔、そして同じく囲碁棋士の姉である上野愛咲美さんもご紹介します。
目次
上野梨紗さんはこんな人!プロフィールをご紹介
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囲碁の棋士を統括している日本棋院では、上野梨紗さんのプロフィールを紹介しています。
平成18年(2006年)6月24日生まれ
東京都出身。
藤澤一就八段門下平成31年入段
日本棋院とは、囲碁の棋士を統括して棋戦を行うための公益財団法人で、現在は約300人の棋士が所属しており、所属している棋士のプロフィールを公開しています。
しかし、日本棋院のホームページに書かれているプロフィールはシンプルな内容なので、もう少し情報がほしいですね。
そのようなわけで、上野梨沙さんについてさらに情報がないか調べてみました。
囲碁を始めたきっかけ
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さて、上野梨紗さんが囲碁をはじめるきっかけですが、おじいさんがアマチュアで囲碁を楽しまれていたことが大きく影響しているようです。
まず、おじいさんの影響を受けたお姉さんが「新宿こども囲碁入門教室」に通い始めました。
このことが発端となり、梨紗さんも4歳から新宿こども囲碁入門教室に通い始めたのです。
場所によっては、子ども向けの囲碁教室がない地域も多い中で、通える場所に子ども向けの囲碁入門教室があったことは、本当に恵まれていたと思います。
最初のうちは、梨沙さんはインストラクターの先生と打つことが多く、いつも勝たせてもらってばかりだったそうです。
しかし梨紗さん、いつも勝ってばかりいると面白くないということに気がついたそうで、お友達とも打つようになりました。
わざと負けてくれたインストラクターの先生とは違い、お友達は本気で戦うので負けることもあります。
残念ながら負けてしまう時があっても、囲碁の面白さが分かってきました。
負けていやになって辞めてしまわなかったのも、えらいですね。
小さいうちにおじいさんやお姉さんから良い影響を受けたこと、そして強い棋士を育てる教室に入ったことは、確かにその後の梨沙さんの人生にとって、大きくプラスになりました。
しかし梨紗さん本人の「勝ってばかりだと面白くない」という気づきも、早くに才能を開花させることとなったのだと思います。
上野梨沙さんの通った新宿こども囲碁教室ってどんなところ?
ところで新宿こども囲碁教室は、上野梨紗さんの師匠である藤澤一蹴(ふじさわかずなり)八段が主催するこども向けの囲碁教室です。
当初は、囲碁を通して強い子を育てることを目標に始めた囲碁教室でしたが、大勢のプロ棋士を輩出してきました。
新宿こども囲碁教室のホームページには教室出身プロの情報がのせられていますが、上野梨紗さんはもちろんのこと、姉の上野愛咲美さんの名前や、最近プロ棋士となった本木克也さんの名前ものせられています。
小学生6年生のプロ棋士誕生
さて上野梨紗さんは、2018年12月から19年2月にかけて行われた、囲碁の棋士採用試験で1位となり、小学校6年生の女性プロ棋士が誕生しました。
これは女性棋士としては10歳0カ月でプロ入りした仲邑菫さん(9)、藤沢里菜女流本因坊(20)に続く3番目の年少記録となります。
上野梨紗さんが小学6年生にしてプロ棋士となったというニュースは、テレビでも報道されました。
この記事を読まれている方の中にも「見たことがある!」といういらっしゃるのではないでしょうか?
現在はYouTubeでも記者会見や対局の様子を見ることが出来ます。
私はYouTubeで記者会見を見たのですが、自分の名前が読み上げられた時に頭を下げる姿を見ると、プロ棋士というよりまだかわいい小学生という印象を受けました。
しかし、梨紗さん本人にマイクが向けられ、「入段内定について一言お願いします」と言われ、彼女が話し始めてからその印象は大きく変わり、「すごい人だな」と思うようになったのです。
さてここから先は、梨紗さんのすごさや強さが感じられるコメントを、いくつかご紹介します。
「まだ実力不足」
上野梨紗初段公式戦第2戦、第23期ドコモ杯女流棋聖戦予選B、新海洋子五段ー上野梨紗初段戦がまもなく開始いたします#囲碁 #日本棋院 pic.twitter.com/vNA26DtshW
— 日本棋院 (@Nihonkiin_pr) July 8, 2019
記者会見で「うれしいです」と話していた梨紗さんでしたが「まだ実力不足なのでこれから努力して頑張っていきたい」とこれからどうするのか、しっかり考えていたのが印象的でした。
謙虚であるとともに「これからも頑張らなくてはいけない」という自覚を持っています。
同席していた藤澤一蹴八段は、「とても頑張っているけど、世界で戦うにはさらに強くならないといけない」と話していました。
囲碁は日本国内だけでなく、今や世界の80か国以上で楽しまれているゲームであり、いずれは外国の選手とも対決する機会もあるでしょう。
もちろん外国の選手たちも、日々トレーニングを積んでいるわけで、それらの選手たちと戦って勝ち続けるためには、さらに力をつけて強くなる必要があるのです。
梨紗さん本人は、今のところは世界で勝つことを視野に入れているものの、まずは女流棋士としてタイトルを取る事を目標にしています。
今の目標は、梨沙さんの成長とともに変わっていくかもしれませんが、これからも努力しようという姿を見ると私たちも応援したくなりますね。
目指す棋士
間も無く週刊碁の新初段シリーズ、上野梨紗初段と芝野虎丸七段の対局が始まります。「憧れ」と挙げていた棋士との記念対局です。#囲碁 #上野梨紗 #芝野虎丸 pic.twitter.com/qHwbHIRJs7
— 毎日新聞・囲碁 (@mainichi_igo) April 6, 2019
目指す棋士について尋ねられた梨紗さんは、芝野虎丸棋士と大西竜平棋士の名前を挙げていました。
理由については「芝野先生は形成が悪くてもひっくり返しても最終的には勝つところ」「大西先生は筋がよくて形成判断が明るい」と話していました。
他の先輩方の試合もしっかりと観察して「すごい」「かっこいい」というだけでなく、「どうして強いのか」まで、自分で考えて分析していることが分かりますね。
記者会見の中で、今後の目標について聞かれた時には「女流タイトルをとるような棋士になりたい」と答えていました。
また「戦いが得意かはわからないけど、戦いは好きです」という答え方からも、梨沙さんの正直な気持ちも聞くことができました。
当時小学6年生ではにかみながら話す様子がかわいらしいのですが、話す内容はしっかりした印象を受けますね。
師匠の語る強さの秘密
中央の男性が、上野梨紗さんの師匠である藤沢一蹴八段です。現在は新宿こども囲碁教室だけでなく、ネット藤澤塾というYouTube講座でも活躍されています。
さて、2019年2月15日に行われた上野梨紗さんの記者会見では、梨沙さんについて「ボクシングでいうとジャブやフックを打ちながらどんどん前へ出ていく感じのファイター」と話していたのが印象的でした。
さらに「そこまでやらなくてもいいのではという場面でも厳しい手を打っていく」攻撃的な感じなのだそうです。
なおこの記者会見ではありませんが、別のところでも藤澤一蹴八段は、梨沙さんについてこんなコメントをしています。
「小さい頃から打ちたい手を深く考えていた」
「戦闘的で守ったほうがいいところでも前に出ていくタイプ」
小さい頃から考える習慣が出来ていたこと、前向きに戦う姿勢はすばらしいですね。囲碁以外の分野でもプラスになる事ばかりです。
大勢の子どもたちに囲碁を教えてきた師匠からも、高く評価されていることが伝わってきます。
普段はどんなことをしているの?
さて中学2年生のプロ棋士、上野梨紗さんは普段どのような生活をしているのでしょうか?気になりますね。
「毎日囲碁の練習ばかりしているの?」
「遊ぶ時間はあるの?」
上の動画は、そんな疑問を持つ方にぜひ見ていただきたいですね。梨紗さんと5歳年上のお姉さん愛咲美さんの、普段の様子を見ることが出来ますよ。
お姉さんの愛咲美さんと2人で好きなアイドルやバラエティー番組を見ながら楽しんでいる様子は、普通の中学生の顔ですね。
YouTubeを見たり、音楽を聴くことも好きなのだそうです。ちなみにK-POPがお気に入りだそう。
好きな食べ物はイチゴ、なんだか親しみがわくのは私だけでしょうか?
さて、上野梨紗さんが通っていた小学校や、今通っている中学校がどこか調べてみたのですが、今のところはっきりとした情報はわかっていません。
姉の上野愛咲美さんはこんな人
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さてここからは、これまでにも何回かお名前が出ているお姉さん、上野愛咲美さんのこともご紹介します。
2001年10月26日生まれで、妹の梨紗さんと同じく日本棋院東京本院所属の囲碁棋士です。
上野梨紗さんは初段ですが、お姉さんの愛咲美さんは三段で、家では梨紗さんに囲碁を教えることも。
梨紗さんも通っていた新宿こども囲碁教室には5歳から通っており、2016年に14歳で女流棋士採用試験を突破しました。
女流棋士として史上初の全棋士出場の一般棋戦の決勝進出者でもあり(竜星戦準優勝)、歴代最年少(16歳3か月)で女流棋聖を獲得するなど、素晴らしい業績の持ち主です。
梨紗さんがプロとなった時の記者会見では、愛咲美さんも同席しており「一回戦であたることはないんですけど打つことがあるかもしれないので、ちょっと不思議な感じ」とコメントされていました。
なお、梨紗さんの学校についての情報はありませんでしたが、愛咲美さんの通っていた高校はN高等学校ということがわかりました。
N高等学校は、KADOKAWA・ドワンゴが創るネットと通信制高校の制度を活用した、新しいネットの高校で、15,803名以上の生徒が全国で学んでいます。
自分のライフスタイルに合わせて好きなときにネットで学習できる学校なので、学業と囲碁の両立がしやすいのかもしれませんね。
なお、同じ学校の出身者にはフィギュアスケートの紀平梨花選手やファッションモデルの池田美優さんがいます。
姉の愛咲美さんから見た梨紗さんはどんな妹?
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これまでの話から、愛咲美さんと梨紗さんは普段は仲良しの姉妹であることがわかりましたが、愛咲美さんから見た梨紗さんはどんな妹なのか、もう少し突っ込んでみたいと思います。
愛咲美さん、梨紗さんと試合がしたいか聞かれたことがあるのですが、梨紗さんとはあまり碁を打ちたくないのだそう。
「負けたら悔しいから」というのが理由です。なるほど、確かに妹に負けたら悔しいですよね。
愛咲美さんは梨紗さんの棋風について「妹の棋風は戦うのが好き」「びっくりするところに打つのが好き」と話していたことがあります。
さらに「何といってもメンタル」とコメントし、梨紗さんのメンタルの強さにも触れていました。
勝ち負けもそうですが、予想もしない場所に打たれたらたまりません。それに自分より年下とはいえ、精神的にタフな相手と戦うのは自分自身も心身が強くないと大変なことになりそうです。そう考えると、 梨紗さんは敵に回すと厄介な相手かも。
愛咲美さんの気持ちもよくわかるのですが、お2人の姉妹対決をファンとしては一回見てみたいというのが本音です。
成長し続ける上野梨紗さん、これからも目が離せない
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いかがでしたか?今回はプロの囲碁棋士の中学生、上野梨紗さんについて取り上げてみました。
囲碁はもともと中国や朝鮮半島から伝わってきたもので、今ではアメリカやヨーロッパなど80か国以上で打たれる国際的なボードゲームとなりました。
残念なことに日本では、近年囲碁人口が減っていることが指摘されています。
レジャー白書の数字では2009年には640万人だった囲碁人口が、2017年には約190万人まで減少したと報告されていました。せっかく国際的なボーゲームとなった囲碁なのに、プレーする人がどんどんいなくなるなんて、寂しい話です。
1990年代後半には「ヒカルの碁」というマンガが流行し、マンガがきっかけで囲碁を楽しむようになった子どもたちも大勢いました。
今回の上野梨紗さんの活躍も、これからの子どもたちが囲碁に関心を持つのに大いにプラスになるでしょう。お読みいただきありがとうございました。
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