2020年2月8日放送の「激レアさんを連れてきた。」で紹介された、女流棋士野原未蘭さん。
史上初の女流アマ名人戦3連覇や史上初の女子の中学生将棋名人戦で優勝など、史上初という
キーワードで紹介されることが多い彼女の生い立ちや学校が気になる!
というわけで、野原未蘭さんについてあれこれ調べてみました。
目次
野原未蘭さんのプロフィール
名前:野原 未蘭(のはら みらん)
※お名前の由来はご両親の新婚旅行先であるイタリア・ミラノからつけられたそうです。
生年月日:2003年8月4日 17歳(2020年12月現在)
出身:富山県富山市
段位:2級(2020年9月1日~)
師匠:森内俊之九段
趣味:映画鑑賞、音楽鑑賞、絵を描くこと
習い事:幼稚園の時にピアノ、バレエ
小学校1、2年の時にチアリーディング。
小学校4年生まで水泳
と、将棋だけでなく色々と習い事をされていたようです。
野原未蘭さんの学歴は?高校は?
小学校:富山市立荻浦小学校 卒業
中学校:富山市立岩瀬中学校 卒業
小学校・中学校は地元の公立学校に通われていたようですね!
荻浦小学校の近くに荻浦保育園がありますので、もしかしたら保育園はここかもしれませんね。
そう考えると、本当に地元の小学校・中学校に通う普通の女の子という感じがしますね。
高校:私立富山第一高等学校 在学中
富山第一高等学校はサッカーやバレーボールで全国大会出場の常連校として名高い高校です。
将棋部はないことから未蘭さんは部活には所属していないと思われます。
ただ、この高校を選んだ理由として、私立で県内屈指の実力を持つ部活動があることで、
勉学以外の課外活動にも学校側の理解があるところ。そして、実際に入学してからも
サッカーやバレーボール部の活躍ぶりを身近に感じて自分も頑張らないといけないと
思えるので、本当に選んで良かった。と、インタビューに応じている記事もありました。
参考までに、卒業された荻浦小学校や岩瀬中学校から富山第一高等学校までの距離は約7km。
ご自宅が荻浦小学校や岩瀬中学校の近所と考えると自転車でも通えない距離ではありません。
このことからすると、高校選びは将棋で上を目指していくことをメインで考えた時に、
どこの高校に進学するのが良いか?という基準で選ばれたのかもしれませんね。
それにしても、筆者はスポーツ推薦で高校に入学した過去がありますが、そこの学校の部活動に
入部するためではなく、自分が伸ばしたいものに理解を示してくれる校風だからという理由で
進学先を選ぶなんて、一般的な中学生ならびにそのご家族では考えが及ばないと思います。
未蘭さんご自身もしっかり将来を見据えられてスゴいと思いますが、それをサポートしている
未蘭さんのご両親や周囲の大人たちにも恵まれたのだな・・・と、感心致します。
野原未蘭さんの経歴(期歴)は?
野原未蘭さんの経歴(期歴)についてご紹介します。
①将棋を始めたのは5歳の時。
早稲田大学将棋部OBでアマ三段だった父:克仁さんがテレビの将棋番組を見ていたのに
興味を持ち、それを見た克仁さんが女流棋士になってほしいという思いから教え始めた
とのことです。
↓ご両親です。
父:克仁さん
母:智穂子さん
克仁さんは、未蘭さんに最初は勝つ喜びを知ってほしいということで、棒銀戦法
(初心者向けの攻めの戦法)を教えてわざと負けてあげたりしていたそうです。
そして、将棋の勝ち方と勝つ喜びを知った未蘭さんは将棋にのめり込み、克仁さんが
地元の将棋教室や日本将棋連盟の富山支部長が開いている子ども将棋道場があることを
見つけてきて、定期的に通うようになったそうです。
②小学生時代
小学校2年生で出場した大会「日本将棋連盟小学生駒姫名人戦-初級クラスの部」でいきなり
優勝を飾ったものの、男子も交えた倉敷王将戦(低学年=1~3年生・高学年=4~6年生に
クラスを分けて行われる小学生の全国大会)の富山県予選で県下最強と言われていた
同学年の男子に負けて2位となり、県代表の座を掴めず。
3年生・4年生の時も同じ男子に負けてしまい、県代表の座をどうしても掴むことが
出来ず、4年生の時の大会敗戦当日に「根本的に将棋を変えなくては勝てない」
ということで、克仁さんが鈴木英春さん主宰の晩成塾に電話して、翌日の体験教室に
申し込み。その後「夜9時までコース」に入会したそうです。
↓鈴木英春先生です。
英春流という独特な戦法で名高い晩成塾に入塾されてから野原未蘭さんはメキメキと
実力をつけ、小学校5年生で迎えた倉敷王将戦の県予選では見事にリベンジを果たし、
県代表の座を掴みました。
その後の未蘭さんの戦績は以下の通り。
・小学5年生(2014年) 第7回小学生駒姫名人戦 優勝
・小学6年生(2015年) 第8回小学生駒姫名人戦 優勝
倉敷王将戦 ベスト8
と、小学生棋士の中では日本でもトップクラスの存在となっていたようです。
ちなみに、鈴木英春先生の晩成塾は石川県。
毎週お父さんかお母さんが車で1時間半くらいの距離を送り迎えして下さっていたそうです。
ご本人の努力ももちろんですが、ご両親のサポートも忘れてはいけませんね。
③中学生時代
・中学1年生(2016年)
第8回中学生女子名人戦 優勝
第9回女子アマ王位戦 優勝
第37回全国中学生選抜将棋選手権大会 女子の部 準優勝
と、中学1年生にして女子アマチュア将棋界のトップに君臨する。
さらに、数々の大会で優勝を飾ったことから、富山市教育委員会より表彰も受けています。
・中学2年生(2017年)
第49回女流アマ名人戦 優勝
第10回女子アマ王位戦 優勝(連覇)
※中学2年生で女子アマチュア2冠を達成する。
第38回全国中学生選抜将棋選手権大会 女子の部 3位
・中学3年生(2018年)
第43回中学生将棋名人戦 優勝
※女子での優勝は史上初の快挙
第39回全国中学生選抜将棋選手権大会の女子の部 優勝
※名実ともに中学生棋士最強となる。
アマチュア将棋界で新記録!
第43回中学生将棋名人戦で野原未蘭(のはら・みらん)さんが優勝!
女子が優勝するのは中学生名人戦史上初の快挙です。野原さんは昨年の女流アマ名人戦でも全国優勝を果たしています。https://t.co/O5qJKpNRMp pic.twitter.com/xxCuJLirtc— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) July 18, 2018
第50回女流アマ名人戦 優勝(連覇)
耕)第50期女流アマ名人戦は、中学3年の野原未蘭さんが昨年に続いて優勝しました。 pic.twitter.com/C5urg8jn8o
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) October 8, 2018
④高校時代
・高校一年生(2019年)
第9回女流王座戦一次予選でプロ棋士の礒谷真帆と千葉涼子に連勝し二次予選進出
※アマチュア棋士では最高成績
第32回全国高等学校将棋竜王戦富山県大会 優勝
※富山県選抜となる。富山県では初の女子が選抜。全国でも2例目。
第51回女流アマ名人戦 優勝(3連覇)
※3連覇達成は史上初の快挙
耕)将棋の第51期女流アマ名人戦が14日、東京都千代田区で開かれ、名人戦クラスで富山市の高校1年生、野原未蘭さん(16)が優勝し、史上初の3連覇を達成しました。野原さんは来年3月に行われる朝日アマ名人戦全国大会に女性代表として出場する資格を得ました。 pic.twitter.com/1ZUi10mmmc
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) October 14, 2019
・高校2年生(2020年)
第28期倉敷藤花戦(女流棋士のタイトル戦) ベスト8
※女流棋士入りの資格を獲得
9月1日付で女流棋士2級としてプロ入りを果たす。
プロ入りするためには師匠をつけなければならないということで、森内俊之九段に
師匠となって頂くことをお願いし承諾を受けたとのことです。
※上記の倉敷藤花戦の前に直筆の手紙を書いてお願いしたそうですが、ベスト8に
入れば会ってくれるという返事だったそうで、見事に約束を果たしたことになります。
こういうエピソードを見ても、未蘭さんの勝負強さがうかがえますね。
↓森内俊之九段
鉄板流という受けの強さに定評のある森内九段の弟子となった未蘭さん。
ベースとなる英春流は独特の戦法と言われていますが、受けの強さが必要とされる
戦法のようですので、鉄板流で受けの強さに磨きをかけ、英春流を進化させて
強くなっていきそうな予感がしますね!
『激レアさんを連れてきた』に出てた?
野原未蘭さんは、2020年2月8日放送の「激レアさんを連れてきた」に鈴木英春先生と
一緒に出演されています!
「普通の女の子だったのに謎のおじいさんが生み出した秘伝の将棋の技を教わったら、
将棋界最強の女子中学生となってしまった女の子」という内容で紹介されています。
仲の良いおじいちゃんとお孫さん。という感じですね(笑)
ここで少し鈴木英春さんに触れておきますと・・・
名前:鈴木 英春(すずき えいしゅん)
生年:1950年生まれ(70歳)
段位:元奨励会三段(年齢制限により退会)
期歴:1987年・1988年 アマ王将獲得(アマチュアの全国タイトル)
石川県の自宅にて「晩成塾」主宰。井道千尋女流2段。野原未蘭女流2級らを輩出。
書籍:「英春流かまいたち戦法」「必殺!右四間」「必殺!19手定跡」「必殺!陽動振り飛車」
テレビ:NHKドキュメンタリー「勝負~名人への遠い道~」にて取り上げられる。
と、なかなか凄い経歴をお持ちの方なんですね・・・
そして、英春流という棋風が気になったのですが、調べてみると将棋AIでは「疑問手」
という評価が下されるようなユニークな指し手だそうで「かまいたち」と「カメレオン」の
2つの戦法で攻めと受けを担っているそうです。
一番分かりやすい表現として、激レアさんの番組でも紹介されていましたが、前述の小学生
時代に英春流を学ぶまで勝てなかった男の子が初めて未蘭さんに負けた時に残した、
「何をされたか分からないうちに負けていた」というコメントではないでしょうか。
そして、番組内で未蘭さんの実力を高く評価している将棋界のレジェンドがいました。
「ひふみん」こと加藤一二三元九段です。
番組内で、以下のように未蘭さんを評価しております。
と、ものすごい高評価ですよね。
もし、何の情報もなく番組を観ていたら、「ふーん。将棋界にも若い女の子で凄い子が出てき
たんだなー」程度にしか思っていなかったでしょう。
ただ、私自身でも未蘭さんのこれまでの期歴を調べました。
そのうえで、加藤一二三元九段の言葉を聞くと、藤井聡太二冠だけじゃないんだな!
まだ高校生なのにこんなに凄い人がいるんだ! と、納得させられました。
又、激レアさんではないのですが、最近メディアでも取り上げられてまして、
「重厚な将棋に憧れて……」17歳の女流棋士が“鉄板流”森内俊之九段に弟子入りするまで
野原未蘭女流2級インタビュー #2 | 観る将棋、読む将棋 #野原未蘭 #shogi #文春オンラインhttps://t.co/PhWlEsZ4FF— 文春オンライン (@bunshun_online) September 25, 2020
文春オンラインでもインタビューを受けております。
今年9月のプロ入り後に受けているインタビューですが、英春流に鉄板流をミックスさせて
20代で全盛を迎えられるように進化していきたいとおっしゃっています。
まだ17歳の高校2年生とは思えない落ち着いた語り口と謙虚ながらも先を見据えた姿勢は、
「ああ、こういう人が“大物”って言うんだな」と、妙に納得してしまいました。
本当にこの先が楽しみな女の子ですね!
藤井聡太2冠と対戦していた?結果は?
最後に、こんなエピソードもご紹介します。
実は未蘭さん、藤井聡太二冠と対局しているのです。
女流アマ名人戦の優勝者への特典として、その時の新人王と対局ができるというもので、
未蘭さんは中学3年生の時に藤井聡太二冠(当時七段)と対戦しています。
対局は藤井聡太二冠の角落ちで始まり、ちょうど100手で投了。
藤井聡太二冠の勝利でした。
未蘭さんは藤井聡太二冠との対局をふり返り、感想戦を本当に丁寧にしてくれただけでなく、
質問にも丁寧に答えてくれて、さらに「時間配分を工夫したらもっと強くなりますよ」と、
アドバイスも頂いたそうです。その対局でも時間を余らしていただけでなく、過去の対局でも
序・中盤の劣勢を終盤でひっくり返すという将棋が多かったという未蘭さん。
藤井聡太二冠のアドバイスを真摯に受け止め、序盤から時間を使うところは使い、自分が優位に
立てるような将棋をするようになったとのことです。
又、藤井聡太二冠の印象については、1つしか違わない(藤井聡太二冠が歳上)とは思えない
くらい謙虚で落ち着いていて、とても同世代とは思えなかったそうです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
野原未蘭さんの戦績ばかりに目が行きがちですが、これだけの戦績を残されるには
ご本人の努力はもちろんのことそれを支える周囲のサポートもあってこそだと思います。
ただ、未蘭さんも謙虚にそのことを受け止められているようで、今の自分があるのも周りの
方々のおかげと感謝も口にされていて、非常に好感が持てました。
野原未蘭さんのこれからのご活躍を期待しております!
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